首に巻きついたヘソの緒  クレニオセイクラルセラピーからSER(体制感情解放)へ エピソード 13

2017年1月6日から9日までアメリカ アプレジャーインスティチュートのSER(体性感情開放)インストラクターのレベッカ先生をお迎えして日本では4年ぶりとなるSER1のセミナーが行なわれ私もテーブルアシスタントとして参加しました。(左から2番目がレベッカ先生、右から2番目が日本のCST初代インストラクターで日本オステオパシー学会名誉会長の平塚晃一先生)

私は常々、クレニオセイクラルセラピーの創始者J.Eアプレジャー博士にお会いしたかったと思っていましたが、博士は数年前に他界されました。

しかし、アプレジャー博士に直接教えを受けたインストラクターに教わることはできます。

昨年、アメリカでお会いしたタッド先生しかり、今回来日したレベッカ先生もそうです。

(少女の治療をするアプレジャー博士【右】とレベッカ先生【左手前】)

今回のセミナーでは幸運にもちょうど上の写真のように1人のクライアント役の方をレベッカ先生のアシスタント役として入り、アプレジャー博士と同じセッションをされた方と同じセッションを体験することが出来て大変貴重な経験をしました。

これからも1人でも多くのアプレジャーインスティチュートのインストラクターの先生と直接、接する事により、アプレジャー博士から伝わる目に見えない何かをひとつずつ自分の財産にしていき、それを伝えていきたいと思います。

SER(体性感情解放)は組織記憶(痛み)の解放

SER(体性感情解放)とは痛みに感情が合わさる場合があり、その痛みを解放するためにはその時の感情を再体験するというセラピーです。

アメリカではベトナム戦争や湾岸戦争帰りの兵士や9.11テロの被害者の治療として使われました。

SER(体性感情解放) の基本にあるのは

組織記憶

です。

 

脳だけでなく筋膜などの組織にも記憶が残るという考え方です。

ビデオテープなどのセロハン状のモノに画像や音声が記録されているので筋膜などの組織にも記憶の記録があっても不思議ではありません。

オステオパシーではアンワイングやカウンターストレインという筋膜やその周辺組織の緊張を緩めるテクニックがありますが、そこに会話を加えたものがSER(体性感情解放)と言えるでしょう。

さて、SER(体性感情解放)で前回、インナーフィジシャンについて書きました。

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SER(体性感情解放)のセッションではインナーフィジシャン(内なる医者)が注目されがちですが、私自身いままでのセミナー、サロンでのセッション含めインナーフィジシャンが出たセッションの方が少ないです。

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どちらかというとアンワイングやカウンターストレインのように身体の動きと会話から昔の肉体的なトラウマ(痛み)を解放したケースがほとんどでした。

今回のセミナー中、私がアシスタントに入ったセッションを紹介したいと思います。

胎児の記憶

セラピスト役のA、クライアント役のB、アシスタントの私、3人でSERのセッションが始まりました。

まずはアーキングというテクニックでクライアント役のBさんのエネルギーシストを探します。

エネルギーシストとは外的ショックを過去受けた場所でそこに感情も伴っていることからエネルギー的に滞留してしまってる場所です。

エネルギーシストが見つかったのでそこに手を当ててセッションがスタートしました。

クライアント役のBさんがしばらくして

「両足を曲げていいですか?」

と言ったので両足を曲げてアシスタントがその足を支えました。

SER(体性感情解放)のセッションではクライアントに重力をあまり感じさせないことが大切です。

仰向けのまま、両足を曲げた姿勢でセッションは続きました。

A「今、どんな気分ですか?」

B「水の中にいるようです。」

A「・・・」

セラピスト役のAさんは何かわからないようでしたがアシスタント役の私はすぐそれがお母さんのお腹の中に胎児としている時の事を喋ってるのだと気付きました。

SER(体性感情解放)のセッションでは胎児の記憶が蘇ることが多々あります。

しかし、私はアシスタントなのでなにも喋らずセッションを見守りました。

アシスタントは出過ぎない事が大切です。

B「首が苦しい」

その日は、そこまでで終わりました。

セッション後のBさんの話では出生の2週間前、胎児の時に、へその緒が首に巻きついて生まれてきた事を話されました。

SER(体性感情解放)はタマネギの皮を1枚1枚向いていく作業に似ています。

タマネギの芯に辿り着いた時がその人の痛みやトラウマの核心部分なのです。

へその緒が圧迫した首と肝臓

2日目のセッションでまた、Bさんのセッションに加わりました。

セラピスト役のAさんが首の下に手を置いてセッションがスタートしました。

私は肝臓の辺りにエネルギーシストを感じたので肝臓の上辺りに手を置きました。

Bさんがセラピスト役のAさんの手がきついと言い出し手の力を弱めるよう催促しました。

Aさんはこれ以上弱められないと困っていたら、レベッカ先生より手を離すようアドバイスされ、首の下の上数センチ開けた辺りから手をかざすような体勢をとりました。

アシスタント役の私は肝臓の上辺りに手を置いたままです。

手の下の肝臓はパンっと張って緊張してる感じがしました。

しばらくするとAさんの手が首に触れました。

それまで首に敏感で触らせなかったBさんもようやく落ち着いたようでした。

AさんはBさんの首の組織に強い拍動を感じていました。

その拍動は身体が緩んでいるサインでSER(体性感情解放)のセッションでは

意義探知機がオンになった状態

でここで感情を伴う痛みが解放されようとしている場面で1番大切なところです。

Aさんが「あっ緩んだ」と呟いた瞬間、肝臓の上に置いた私の手も沈み、肝臓が緩んだ事を確認しました。

つまり首と肝臓が同時に緩んだのです。

胎児の時の迷走神経の圧迫が肝臓に影響

セッション後、レベッカ先生の解説によると胎児の時、へその緒が首に巻きついたことにより、迷走神経を圧迫し、その迷走神経の緊張が肝臓に影響があった事が考えられるとの事でした。

Bさんは疲れると首に違和感を感じていたそうですが、その原因が胎児の時の

首に巻きついたへその緒

だったのです。

首が緩んだあと、AさんはSERの「表現の通路」と呼ばれる手順に従って顔面骨に入ったら口蓋骨が物凄く反応したそうです。

そこでその日のセッションが終わりました。

Bさんのように首に違和感があって、そこを様々な治療をしてもスッキリしない場合、今回のような感情を伴った肉体的トラウマがエネルギーシストとして首に残り、SER(体性感情解放)でないと解消できない場合があるということです。

今回、首の組織が緩むと同時に肝臓の緊張が緩んだこと、そしてその原因が胎児の時に首に巻きついたへその緒が原因だったこと体験しましたが、身体はリンクしている、そしてそれは過去の体験とも繋がっていることがわかるSER(体性感情解放)ならではのセッションでした。

 

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