2016年11月2日よりアメリカ フロリダ州はウエストパームビーチにあるクレニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)の本部
に日本でアプレジャーインスティチュートのインストラクターとして活躍している4人のうちの1人で日本のオステオパシーの学校、ジャパンカレッジオブオステオパシーで講師も務めている本間毅先生と行ってきました。
オステオパシー医であるジョン・E・アプレジャー博士の本が日本で初めて出版されたのが1988年。
今から30年前近くなるわけですがアプレジャーインスティチュート本部の様子はなかなか日本では見ることが出来なかったのではないでしょうか?
たくさんの人がクレニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)を学んできた事だと思います。
そしてこれからも学ぶ人が多くなるでしょう。
今回はそんなクレニオセイクラルセラピーに興味がある方々のためにその本部について紹介したいと思います。
日本初公開 アメリカ アプレジャーインスティチュート本部!
アプレジャーインスティチュートはアメリカ フロリダ州ウエストパームビーチにあります。
パーム(椰子の木)ビーチというだけあって街中、椰子の木だらけです。
今回たまたまアメリカ大統領選挙と重なりましたが、今、時の人となったドナルド・トランプ氏の別荘があることで有名です。
他にタイガーウッズの別荘もあることからアメリカの富裕層の別荘地という感じの場所です。
つまりはアプレジャー博士もタイム誌で「20世紀の変革者100人」に選ばれたくらいでしたから、パームビーチに住んでいたということはそれなりに経済的にも成功を収めたということでしょう。
また、オバマケアでアメリカは、国民皆保険制度となってきていますが、医師が考案したとはいえクレニオセイクラルセラピーはアメリカでも保険外診療なので経済的に余裕がある人でないと受けれないという事も富裕層が多いこの地で開業した理由があるのではないかと思われます。
アプレジャー博士はクレニオセイクラルセラピーとイルカを組み合わせたセラピーも考案しました。
主に自閉症の子供達や心的外傷は強い人に行われることが多く、人間だけのセラピーより何十倍の効果があるそうです。
本部の周りは様々な種類の鳥がいて、まるで野鳥公園のようでした。
とても自然環境の良い場所にあります。
セミナー中にも窓ガラスをキツツキが激しく叩き、受講者を和ませるシーンもありました。
本部は細長い3階建てのビルの2階と3階にあります。
2階にはクリニックとセミナールームがあり、3階はオフィスです。
2階のクリニックの壁には私が2014年に受けたクレニオセイクラルセラピーアドバンスでお世話になったチェスペリー先生の若い頃の写真がありました。
今回セミナーを受けたタッド先生も今はノースキャロライナで開業されてますが数年間はアプレジャー博士のもとでこのクリニックで勤められていました。
ちなみにタッド先生のオフィスはこちら
(左端から私、タッド先生、マシューアプレジャーインスティチュートCEO、本間先生)
チェスペリー先生はトラウマなど心的外傷が専門でベトナム戦争帰還兵や9.11同時多発テロなどの後遺症に苦しむ人々を担当されていたと聞いています。
また、タッド先生はノースカロライナ、フロリダ、ニューヨークの認定マッサージとボディワークセラピストでアプレジャーインスティチュートではセミナーやクレニオセイクラルセラピーの教育システムの構築に携わっています。
また、脳に機能やグリア細胞とクレニオセイクラルセラピーの研究からブレインスターズという本も出版し、
ハーバード医療専門学校でも講演をされた事があります。
アプレジャーインスティチュートではクレニオセイクラルセラピーを軸に自分の得意分野を持ったセラピストが様々な施術に当たっている印象を持ちました。
3階はオフィスです。
廊下の壁には30年前近くに生前アプレジャー先生が日本で行なったSER(体性感情解放)のセミナーの写真がありました。
アプレジャー先生と日本で初めて交流をもった初代インストラクターで日本オステオパシー協会名誉会長の平塚晃一先生(一番下右端)も写っています。
今回、私達はタッド先生のクレニオセイクラルセラピー1のセミナーを受けてきましたが、そのセミナールームは2階の1番端の広い部屋で一度に50人以上は受けれるスペースがあります。
セミナー会場の後ろには沢山の食べ物が用意されてました。
そしてクレニオセイクラルセラピーに関係する本や解剖書、グッズなどが売られていました。
今回も様々な人びとがタッド先生のセミナーを受けに来ていました。
シカゴから来た理学療法士、フィンランドのドルフィンセラピスト、ジャマイカ出身の精神科医、イギリス出身のマッサージセラピスト、鍼灸師に整体師。
様々なバックグランドを持つセラピストがクレニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)に興味を持ってアプレジャーインスティチュートに集まってきていました。
分野を超えて硬膜の緊張をとり、脳脊髄液の循環を高めるクレニオセイクラルセラピーに対する関心の高さが伺えます。
クレニオセイクラルセラピーでグリア細胞が活性化すれば認知症の予防になる?!
(タッド先生のセミナーの様子)
今回受けたタッド先生は脳内のグリア細胞とクレニオセイクラルセラピーの関係性を研究してアメリカで本を出版して他国にも翻訳されています。
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クレニオセイクラルセラピーで脳脊髄液の循環を高めることによりグリア細胞が活性化して、その事ににより脳内の老廃物が速やかに処理され、栄養が取りこまれ脳内の新陳代謝が良くなることが考えられます。
この研究が進めば私達は手によってアルツハイマーや認知症の予防が可能になってきます。
これから超高齢化社会に突入する日本にとっては大きなテーマの一つになって来ることは間違いありません。
今回のタッド先生のクレニオセイクラルセラピー1では細かい部分がブラッシュアップされていて今までとセラピーの順番も変わったりしていました。
テキストも改訂されていました。
タッド先生のセミナーは脳脊髄液の動きのみを手で感じ取ることにフォーカスされていました。
そしてセミナー開始前に全員の治療ベッドに配られてたコインが示すようにその手の圧は5グラムです。
脳脊髄液の流れは誰でもが手で感じ取れる
5グラムの微細なタッチが脳内で1日に500mlしか生産されない脳脊髄液の膨張(屈曲)と収縮(伸展)の動きを感じ取ることができます。
この脳脊髄液の動きは頭だけでなく胸、お腹、骨盤、手足と全身で手を使って感じとることができます。
よく日本でのセミナーでも話題になるのですが、脳脊髄液の流れを測定する機械がないのかというこ質問を今回私もタッド先生に直接聞いてみましたが、デンマークにいる先生が一部測定できる機械を使ってるが全身のはまだないとのことでした。
しかし、大切なことは私達の手で確実に脳脊髄液の流れは感じ取れるという事実です。
科学的根拠が機械などによりデータとして明らかにならないとなかなか一般的に事実として認識されないのが社会的常識となってますが、脳脊髄液の流れが機械により証明されるのは明日かもしれませんし100年後かもしれません。
セラピストとして大事なことは自分が今、実際に手で感じている真実を信じて目の前の様々な不快な体調に悩んでいるクライアントが健康になることをサポートすることにフォーカスすることだと思います。
創始者のオステオパシードクターだったアプレジャー博士が、若い頃、外科手術中に硬膜が動くことを実際に目で見てその事からクレニオセイクラルセラピーを発展させてきたように。
そのことを改めて今回の渡米で強く再認識しました。
ブルースリーの名言に
Don’t think! Feel (考えるな!感じなさい。)
という言葉がありますが、全身を5グラムの圧でタッチすることにより、どこが脳脊髄液の流れが悪いか自分の手を通して感じることができます。
人間の身体はほとんどが水分である事はいうまでもありません。
脳脊髄液はリンパ液に混じり全身を循環します。
脳脊髄液はリンパ液の中に混じって全身を循環する
私がクレニオセイクラルセラピーを受けに来たクライアントさんにさとう式リンパケアをススメているのは、リンパ液の循環を良くすることが脳脊髄液の循環を良くすることになるからに他なりません。
体液の流れを良くすることは、脳脊髄液とリンパ液の循環が良くなること、つまり健康になるということです。
そのことが頭痛や腰痛、肩こりの改善だけでなく脳の健康、アルツハイマーや認知症を予防するものとして今後、研究が進んでいくことになるのではないかと感じさせる今回の渡米となりました。